伊耶那美命の左の手にいた雷神
どんな神さま?
黄泉の国の伊耶那美神の体にいた、八柱の雷の神のひとりです。亡くなった妻をつれもどしに行った伊耶那岐神が、約束をやぶって火をともし、中をのぞいたとき、妻の体には八柱の雷がうずくまっていました。若雷は、そのうち左の手にいた雷です。
『古事記』には、名前と、いた場所だけが記されています。「若」は、若いこと。頭にいた「大雷」と対になって、大きな雷にたいする、若い雷、小さな雷をあらわすと考えられています。また、「若」には、若々しく、いきいきとした力、という意味もあります。春になって、その年はじめて鳴る雷のこと。あるいは、雷のあとに、雨をえて草木が若々しくよみがえることをあらわす、とする説もあります。
「雷が多い年は豊作」と、昔からいわれてきました。夏の雷は、夕立をつれてきて、田をうるおします。いなびかりを「稲妻」、つまり「稲のつま」と呼ぶのは、雷の光が稲をはらませて、実をみのらせると信じられたからです。若雷は、そうした、ものを育てる雷の力をあらわしているのかもしれません。この神は、右手の「土雷」と、両手で対になっています。若い力と、大地。雷が大地にとどいて、作物が育つ。死の国にうずくまるおそろしい雷のなかに、命を育てる若い力がひそんでいます。京都の賀茂の神の名前、賀茂別雷命の「わけ」も、「若い」という意味とされます。
登場する主な神話
- 黄泉の国
- 八雷神の追跡
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 若雷
- 読み
- わかいかずち
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00302
