邇邇芸命の母で、機織りの名の女神
どんな神さま?
天孫・邇邇芸命の母となった、機織りの名をもつ女神です。高天原の司令役である高御産巣日神の娘で、天照大御神の子・天之忍穂耳命と結ばれました。そして、天火明命と邇邇芸命を生みます。天照大御神の血すじと、高御産巣日神の血すじが、この女神のところでひとつにむすばれたのです。
長い名前には、織物にかかわる言葉がつまっています。「万幡」は、たくさんの機織り、たくさんの布。「豊」は、ゆたかなこと。「秋津」は、とんぼ。「師」は、布をあらわすとする説があります。とんぼの羽のように、うすく、すきとおった、美しい布を、たくさん織る姫。そんな意味の名前と考えられています。『日本書紀』では、栲幡千千姫と書かれます。「栲」は、木の皮のせんいで織った白い布のことです。
昔、神にささげる布を織ることは、女性のとても大切なつとめでした。高天原でも、天照大御神が機織りの建物で神の衣を織らせています。伊勢神宮では、いまも毎年、神にささげる絹と麻の布を、古い方法で織る祭りが行われています。この女神は、伊勢神宮の内宮で、天照大御神のそばにまつられる神のひとりです。孫を地上に送り出した天照大御神のかたわらに、その母がいる。織物と安産、子育ての神として信仰されています。
登場する主な神話
- 天孫降臨
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 万幡豊秋津師比売命
- 読み
- よろずはたとよあきつしひめのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 別名・表記
- 栲幡千千姫命 たくはたちぢひめのみこと
日本書紀表記・② 記紀間の対応
- 栲幡千千姫命 たくはたちぢひめのみこと
- 図鑑番号
- K00301
