伊耶那岐命を追った黄泉の国の女
どんな神さま?
逃げる伊耶那岐神を追いかけた、黄泉の国の女です。約束をやぶって、妻のかわりはてた姿を見てしまった伊耶那岐神は、おそろしくなって逃げ出しました。伊耶那美神は、「私にはじをかかせましたね」と言って、すぐに予母都志許売に追わせます。
追いつかれそうになった伊耶那岐神は、髪にまいていた黒いつる草のかざりをとって、投げすてました。すると、そこから山ぶどうの実がなります。追っ手がそれをひろって食べているあいだに、逃げました。また追いつかれそうになると、こんどは右の髪にさしていた櫛の歯を折って、投げすてます。すると、たけのこが生えました。追っ手がそれをぬいて食べているあいだに、さらに逃げます。そのあと、八柱の雷神と黄泉の軍勢が追ってきて、最後に桃の実で追いはらわれました。
名前の「しこ」は、みにくい、おそろしい、あるいは、がんじょうで強い、という意味とされます。「黄泉の国の、おそろしい女」です。けれども、山ぶどうやたけのこを見ると、追いかけるのを忘れて食べてしまうところは、どこかにくめません。うしろにものを投げて、追っ手の足をとめながら逃げる話は、世界じゅうの昔話にあります。日本の「三枚のお札」も、そのひとつです。こわいけれど、ちょっとおかしい。昔話の鬼ばばの、遠い祖先です。
登場する主な神話
- 黄泉の国からの逃走
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 予母都志許売
- 読み
- よもつしこめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00300
