伊耶那美命の右の足にいた雷神
どんな神さま?
黄泉の国の伊耶那美神の体にいた、八柱の雷の神のひとりです。亡くなった妻をつれもどしに行った伊耶那岐神が、約束をやぶって火をともし、中をのぞいたとき、妻の体には八柱の雷がうずくまっていました。伏雷は、そのうち右の足にいた雷で、八柱のいちばん最後に名前があげられます。
名前の「伏」は、ふせること、かくれひそむことです。雲のあいだにひそんでいて、まだ姿を見せない雷をあらわすとする説があります。空がくもって、いまにも鳴り出しそうなのに、まだ鳴らない。その、はりつめた気配のことです。あるいは、地面にふせるように、ひくくはう雷とみる説もあります。
八柱の雷神は、頭の大雷、胸の火雷、腹の黒雷、陰部の析雷、左手の若雷、右手の土雷、左足の鳴雷、右足の伏雷です。左足の「鳴雷」は、大きな音をとどろかせる雷。右足の「伏雷」は、音もなくひそむ雷。両足で、うごきとしずけさの対になっています。大きな雷、光る雷、黒い雲、さく雷、若い雷、土の雷、鳴る雷、ひそむ雷。雷のあらゆる姿が、八つの名前でいいつくされているのです。ほんとうにこわいのは、鳴っている雷より、どこにひそんでいるかわからない雷かもしれません。山や海に出る人は、空の気配に気をくばりました。見えない危険に気づくこと。その大切さを思わせる雷神です。
登場する主な神話
- 黄泉の国
- 八雷神の追跡
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 伏雷
- 読み
- ふすいかずち
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00265
