大穴牟遅神を選んだ稲羽の女神
どんな神さま?
大国主神をえらんだ、稲羽の女神です。稲羽の国、いまの鳥取県東部に、たいそう美しい姫がいると聞いて、出雲の八十神たちが、そろって求婚に出かけました。そのうしろから、兄たちの荷物を大きな袋に入れてかつがされ、とぼとぼとついていったのが、末の弟の大穴牟遅神です。
とちゅうの海辺で、兄たちは、皮をはがれたうさぎに、うその手当てを教えて苦しめました。あとから来た大穴牟遅神は、正しい手当てを教えて、うさぎを助けます。うさぎは言いました。「八上比売は、兄さんたちではなく、あなたをえらぶでしょう」。そのとおり、八上比売は八十神たちに、はっきりと告げます。「私は、あなたがたの言葉は聞きません。大穴牟遅神のところへまいります」。おおぜいのなかから、荷物もちの心やさしい神を、自分の意志でえらんだのです。
このことが、兄たちのねたみをよび、大穴牟遅神は命をねらわれることになります。試練をのりこえて大国主神となった夫のもとへ、八上比売はやってきますが、そこには正妻の須勢理毘売がいました。八上比売は、生まれた子を木のまたにあずけて、稲羽へ帰っていきます。見かけではなく、心で人をえらんだ女神。鳥取市の売沼神社にまつられています。
登場する主な神話
- 稲羽の素兎
- 八十神の迫害
- 木俣神の誕生
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 八上比売
- 読み
- やかみひめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00289
