木の俣にはさまれた大国主神の御子
どんな神さま?
木のまたにはさまれて、その名がついた神さまです。大国主神と、稲羽の八上比売のあいだに生まれました。八上比売は、因幡の白兎の話で、おおぜいの求婚者のなかから大国主神をえらんだ、あの美しい姫です。
ところが大国主神は、根の国での試練をのりこえたとき、須佐之男命の娘の須勢理毘売を正式な妻としてつれ帰りました。約束どおり出雲にむかえられた八上比売は、この正妻をたいそうおそれます。そして、生まれたばかりの子を木のまたにさしはさんで、ふるさとの稲羽へ帰ってしまいました。それで、この子を木俣神と呼ぶのです。少しさびしい話ですが、母は子を見すてたのではなく、木の神にあずけたのだ、とも考えられています。
この神には、御井神という別名があります。「りっぱな井戸の神」という意味です。大きな木の根もとには、よく水がわき出します。木と泉は、昔から深くむすびついていました。島根県出雲市の御井神社には、八上比売がこの子を生んだとき、三つの井戸の水で産湯をつかわせたという言い伝えがあり、安産と水の神として信仰されています。木のまたは、新しい枝が生まれるところ。命がのびていく場所にあずけられた、木と水の神さまです。
登場する主な神話
- 木俣神の誕生
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 木俣神
- 読み
- きまたのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00142
