大国主神をよみがえらせた赤貝の神
どんな神さま?
大国主神の命をすくった、赤貝の女神です。「きさ」は、赤貝の古い呼び名とされます。貝がらのおもてに、きざみめのようなすじがあるので、そう呼ばれました。若いころの大国主神、つまり大穴牟遅神は、兄の八十神たちにだまされて、まっ赤に焼けた大きな石をだきとめ、大やけどを負って死んでしまいます。
なげき悲しんだ母神は、天にのぼり、神産巣日神に助けをもとめました。神産巣日神は、すぐにキサ貝比売と蛤貝比売をつかわします。キサ貝比売は、貝がらをこそげて粉をあつめました。蛤貝比売がそれを受けとり、はまぐりの汁でとかして、母の乳のような白いぬり薬をつくり、やけどにぬります。すると大穴牟遅神は、りっぱな若者の姿になって生き返り、出歩けるようになりました。
貝がらの粉は、やけどのきずをかわかして、まもるはたらきがあると考えられています。昔の人が、身近な海のものを薬として使っていたことを伝える話です。ふたりの女神が力を合わせて手当てをするようすは、看護のはじまりの物語ともいえます。『出雲国風土記』には、神魂命の子として支佐加比売命という、よく似た名前の女神が登場し、加賀の潜戸という海辺の岩屋で、佐太大神を生んだと語られています。命をすくい、命を生む、海べの女神です。
登場する主な神話
- 大穴牟遅神の受難と再生
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- キサ貝比売
- 読み
- きさかいひめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 別名・表記
- 蚶貝比売 きさがいひめ
古事記表記・表記ゆれ(漢字表記)
- 蚶貝比売 きさがいひめ
- 図鑑番号
- K00141
