歩かずとも天下のことを知る神
どんな神さま?
歩くことはできないけれど、世の中のことを何でも知っている神さまです。その正体は、田んぼに立つかかしです。大国主神が出雲のみさきにいたとき、波のむこうから、小さな船にのった小さな神がやってきました。名前をたずねても答えず、お供の神々にきいても、だれも知りません。
そのとき、ひきがえるが言いました。「これは、久延毘古がきっと知っているでしょう」。そこで久延毘古を呼んでたずねると、「この方は、神産巣日神の御子の少名毘古那神です」と、すらすら答えました。そのとおりだったので、大国主神は、この小さな神と力を合わせて国づくりをすることになります。『古事記』は、久延毘古について「いまでいう山田のそほど、つまりかかしである。足は歩かないけれども、天下のことをすべて知っている神だ」と記しています。
かかしは、一本足で田んぼに立ったまま、朝から晩まで、雨の日も風の日も、じっと世の中を見ています。鳥も、虫も、人の行き来も、季節のうつりかわりも。だから何でも知っている、というわけです。名前の「くえ」は、くずれるという意味で、風雨にさらされてくずれた姿をあらわすとされます。奈良の大神神社の近くには、この神をまつる社があり、知恵の神、受験の神として親しまれています。
登場する主な神話
- 少名毘古那神の来訪
- 国づくり
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 久延毘古
- 読み
- くえびこ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00143
