収穫の祭りの新しい室を表す神
どんな神さま?
収穫をいわう、新しい建物をあらわす神さまです。『古事記』の大年神の系譜に名前が見えます。大年神の子の羽山戸神と、食べものの女神・大気都比売神のあいだに生まれた八柱の神の、いちばん最後の子です。
長い名前を分けてみましょう。「久々紀」は、建物につかう木材のこと。「若室」は、新しくたてた室、つまり建物。「葛根」は、柱やはりをしばってかためる、つるの綱のことです。昔の建物は、くぎを使わず、木を組んで、つるでしっかりとしばって建てました。つまり、新しい木で組みあげ、綱でむすびかためた、できたての建物、という意味になります。
なぜ、建物の神が、稲の神々の系譜のおわりにいるのでしょうか。八柱のきょうだいの名前は、山の神をむかえることにはじまり、苗、田植え、水やり、夏の日ざし、秋のとり入れ、稲の茎ののびとつづきます。そして最後に、新しい建物。これは、その年にとれた新しい米を神にささげる祭り、新嘗のために建てる、とくべつな建物のことと考えられています。一年の米づくりは、新しい建物での祭りでしめくくられるのです。宮中ではいまも、秋に新嘗祭が行われます。収穫のよろこびを、かたちにする神さまです。
登場する主な神話
- 大年神の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 久々紀若室葛根神
- 読み
- くくきわかむろつなねのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00144
