山の田に立つかかしの呼び名
どんな神さま?
山の田んぼに立つ、かかしの呼び名です。『古事記』に、久延毘古の「いまの呼び名」として記されています。大国主神のもとに、海のかなたから小さな神がやってきたとき、だれもその名前を知りませんでした。ひきがえるのすすめでたずねられた久延毘古は、「神産巣日神の御子、少名毘古那神です」と、みごとに答えます。
『古事記』は、こう説明しています。「この久延毘古は、いまでいう山田のそほどである。この神は、足は歩かないけれども、天下のことをことごとく知っている神である」。「山田」は、山あいの田んぼ。「そほど」は、かかしの古い呼び名です。雨にぬれて、ぬれそぼつ人、という意味ともいわれます。のちには「そおず」となり、「案山子」という字があてられるようになりました。
昔のかかしは、人の形をしたものだけではありませんでした。けものの肉や髪の毛をやいて、そのにおいで鳥やけものを追いはらったので、「かがし」、つまり「かがせるもの」と呼ばれた、ともいわれます。かかしは、田の神がやどるものとして、大切にあつかわれました。秋の収穫がおわると、かかしを田から家にむかえて、もちをそなえてねぎらう「かかしあげ」というならわしが、いまも各地にのこっています。一本足で田をまもりつづける、もの知りの神さまです。
登場する主な神話
- 少名毘古那神の来訪
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 山田之曾富騰
- 読み
- やまだのそほど
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00297
