黄泉の国の大神となった伊耶那美命
どんな神さま?
黄泉の国の大神となった、伊耶那美神のもうひとつの名前です。国を生み、たくさんの神々を生んだ伊耶那美神は、火の神を生んだことで命を落とし、死者の国である黄泉の国へ去りました。むかえに来た夫の伊耶那岐神は、約束をやぶって、かわりはてた妻の姿を見てしまい、逃げ出します。
追いかけた伊耶那美神は、この世とあの世のさかいの黄泉比良坂で、夫に追いつきました。けれども、夫は大きな岩で坂をふさいでいます。岩をはさんで、ふたりは最後の言葉をかわしました。「いとしいあなたが、こんなことをなさるなら、あなたの国の人を、一日に千人殺しましょう」。「いとしい妻よ、あなたがそうするなら、私は一日に千五百の産屋を建てよう」。『古事記』は、そのあとにこう記しています。「それで、伊耶那美神を、黄泉津大神という」。
「黄泉の国の大神」。死者の国をおさめる神になった、ということです。命を生む母の神が、命のおわりをつかさどる神になりました。生と死は、ひとりの女神のなかで、ひとつにつながっているのです。別れの言葉のなかで、ふたりはたがいを「いとしい」と呼び合っています。にくしみだけでは、ありませんでした。人は死ぬ。けれども、それより多くの命が生まれる。そのことわりを、世界にさだめた女神です。
登場する主な神話
- 黄泉比良坂での別れ
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 黄泉津大神
- 読み
- よもつおおかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00298
関連する神さま
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