花のように咲き誇る、いのちの女神
どんな神さま?
花が咲くように美しい、富士山の女神です。山の神・大山津見神の娘で、もとの名を神阿多都比売といいます。天から降りた邇邇芸命は、笠沙のみさきでこの姫に出会い、ひとめで心をうばわれて、結婚を申しこみました。
姫は、たった一夜で身ごもります。すると邇邇芸命は、「一夜でみごもるはずがない。私の子ではなく、国つ神の子だろう」とうたがいました。姫はきっぱりと言います。「おなかの子が国つ神の子なら、無事には生まれないでしょう。天つ神の御子なら、無事に生まれるはずです」。そして、戸口のない産屋をつくって中に入り、土でぬりふさいで、みずから火をつけました。もえさかる炎のなかで、姫は三柱の子を無事に生みます。火照命、火須勢理命、火遠理命。そのひ孫が、初代の神武天皇です。
火のなかで子を生んだ強さから、火をしずめる神、安産の神として信仰されるようになりました。そして、火をふく山である富士山の神としてまつられます。静岡県の富士山本宮浅間大社は、全国に千三百あまりある浅間神社の総本宮です。桜の花は、この女神の花とされています。ぱっと咲いて、いさぎよく散る。その美しさと、うちに秘めた強さをあわせもつ女神です。
登場する主な神話
- 天孫降臨
- 火中出産
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 木花之佐久夜毘売
- 読み
- このはなのさくやびめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 別名・表記
- 木花開耶姫 このはなのさくやびめ
日本書紀表記・② 記紀間の対応
- 木花開耶姫 このはなのさくやびめ
- 図鑑番号
- K00165
