燃える産屋で生まれた二番目の子
どんな神さま?
もえさかる産屋のなかで生まれた、三人兄弟のまんなかの神さまです。天から降りた邇邇芸命の妻・木花之佐久夜毘売は、一夜で身ごもったことをうたがわれ、身のあかしを立てるため、出入口をふさいだ産屋に火をつけて、そのなかで子を生みました。火がさかんにもえるときに生まれたのが火照命、次がこの火須勢理命、火がおとろえるころに生まれたのが火遠理命です。
名前の「すせり」は、いきおいよくすすむこと。火がごうごうと、もえすすむようすをあらわすとされます。兄の「火照」は火がてりかがやくこと、弟の「火遠理」は火がおとろえること。三つの名前で、火がもえはじめ、もえさかり、しずまっていくまでをあらわしているのです。
兄の火照命は海幸彦、弟の火遠理命は山幸彦として、有名な物語の主人公になります。ところが、まんなかの火須勢理命は、生まれたことが記されるだけで、そのあと二度と登場しません。じつは日本の神話には、三柱の神がならぶとき、まんなかの神が何もしない、ということがよくあります。天照大御神と須佐之男命のあいだの月読命も、そうです。まんなかに、何もしない神がしずかにいて、両がわのつり合いをとっている。そこに日本の神話の特ちょうを見る学者もいます。語られないことにも、意味があるのかもしれません。
登場する主な神話
- 火中出産
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 火須勢理命
- 読み
- ほすせりのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00273
