海の幸をとる兄の神、海幸彦
どんな神さま?
「海幸彦」の名で知られる、海のえものをとる兄の神さまです。邇邇芸命と木花之佐久夜毘売のあいだに、もえさかる産屋のなかで、いちばんはじめに生まれました。大きな魚も小さな魚も、海のものなら何でもとることができました。弟の火遠理命は、山のけものをとる山幸彦です。
あるとき弟が、「道具をとりかえてみよう」と言い出します。兄は三度ことわりましたが、しぶしぶ、つり針をかしました。ところが弟は、魚が一ぴきもつれないうえ、大切な針を海になくしてしまいます。弟が自分の剣をくだいて千本の針をつくってきても、兄は「もとの針を返せ」とゆるしませんでした。やがて弟は、海の神の宮で針を見つけ、海の神からさずかった、潮を満ち引きさせるふたつの玉をもって帰ってきます。
兄がせめてくると、弟は玉で潮を満たして、おぼれさせました。苦しんだ兄があやまると、潮を引かせて助けます。兄はとうとう、「これからは、昼も夜もあなたをまもる者となって、お仕えします」とちかいました。火照命は、九州南部の隼人という人びとの祖先とされます。隼人が宮中でまった舞は、このときおぼれたしぐさをあらわすと伝えられています。宮崎県日南市の潮嶽神社は、この神をまつるめずらしい社です。
登場する主な神話
- 火中出産
- 海幸彦と山幸彦
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 火照命
- 読み
- ほでりのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00274
