夏高津日神のまたの名とされる神
どんな神さま?
夏の女神です。『古事記』の大年神の系譜に、夏高津日神の「またの名」として記されています。夏高津日神は、大年神の子の羽山戸神と、食べものの女神・大気都比売神のあいだに生まれた八柱のうち、五番目の子です。系譜に名前があるだけで、物語は伝わっていません。
「夏之売」は、「夏の女」という意味です。「高くてる夏の日の神」というりっぱな名前に、「夏の女神」という、やさしい名前がそえられていることになります。ひとりの神のふたつの呼び名とするのがふつうですが、もとは別の神だったのではないか、あるいは夏の日の神の妻だったのではないか、と考える人もいます。
すぐ次に生まれるのは、秋毘売神、つまり秋の女神です。夏の女神と、秋の女神。季節の名前をもつ女神が、ふたりつづいているのです。日本の神話には、春の女神・佐保姫、秋の女神・竜田姫という、季節の女神の言い伝えもあります。季節を女神として思いえがくのは、季節が、作物を生み育てる母のようなものだからでしょう。夏の女神は、強い日ざしで稲を育て、秋の女神は、みのった稲をとり入れさせます。暑い夏は、つらいこともありますが、その暑さがなければ、秋のみのりはありません。夏の日ざしのなかに、育てる力をもつ女神がいる。そう考えると、夏の暑さも、少しありがたく思えてきます。
登場する主な神話
- 大年神の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 夏之売神
- 読み
- なつのめのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00237
