竜田山に宿る、秋をつかさどる女神
どんな神さま?
秋をつかさどる女神です。奈良の都の西にある、竜田山の神さまです。昔、中国から伝わった考え方では、西の方角は秋にあたります。そこで、都の西の竜田山の女神は、秋の神とされました。都の東の佐保山にいる、春の女神・佐保姫と、対になっています。
竜田姫は、そめものが上手な女神、とされます。秋になると、山の木々が、赤や黄色に色づきます。あれは、竜田姫が、山をそめあげているのです。竜田山のふもとを流れる竜田川は、昔から紅葉の名所として知られ、たくさんの和歌によまれてきました。川の面をうめつくす、まっ赤なもみじ。まるで、川の水を赤くしぼりぞめにしたようだ、とうたった歌は、百人一首にもおさめられています。「竜田姫」は、秋の季語です。
もとは、風の神でもありました。『延喜式』には、竜田の地に、男の神と女の神をまつる社があったことが記されています。竜田は、大和と河内をむすぶ、山あいの道すじで、強い風の通り道でした。朝廷は、ここに風の神をまつり、稲をたおす悪い風が吹かないように祈ったのです。奈良県三郷町の龍田大社は、いまも風の神をまつっています。風をしずめる神が、やがて、紅葉をそめる秋の女神として、歌の世界で愛されるようになりました。そめものや、裁縫の上達を願う人にも信仰されています。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 竜田姫
- 読み
- たつたひめ
- 区分
- 習合・信仰の神
- 主な出典
- 秋をつかさどる女神。奈良の竜田山の神霊。延喜式の竜田比古竜田比女神社
- 図鑑番号
- K00394
