田に水を引き入れる灌漑の神
どんな神さま?
田に水を引き入れる、水まきの神さまです。『古事記』の大年神の系譜に名前が見えます。大年神の子の羽山戸神と、食べものの女神・大気都比売神のあいだに生まれた八柱の神の、四番目の子です。物語はなく、名前だけが記されています。
名前は、そのまま「水まき」と読めます。田に水をまくこと、つまり田に水を引き入れることをあらわすとされます。稲は、水をはった田で育てます。田植えの前に水を入れ、育つあいだは水の深さをこまかくかえ、みのるころには水をぬきます。水をどう入れ、どうぬくかで、米のできがきまるのです。昔の人は、川にせきをつくり、長い水路をほって、田に水を引きました。村じゅうで力を合わせる、大仕事でした。
八柱のきょうだいは、一年の米づくりの流れをあらわしているとされます。山の神をむかえる若山咋神、若い苗の若年神、田植えをする早乙女の若沙那売神。その次が、この弥豆麻岐神です。苗を植えたら、すぐに水の番がはじまります。そのあと、夏の日ざしの神、秋の女神へとつづきます。水の番は、夜も昼もなく、気のぬけない仕事でした。日でりの年には、わずかな水を村で分け合いました。田んぼに水がはられ、空や山がうつる風景は、日本の初夏のたからものです。その水を見まもる神さまです。
登場する主な神話
- 大年神の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 弥豆麻岐神
- 読み
- みずまきのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00285
