甕の名をもつ国忍富神の子
どんな神さま?
かめの名をもつ、長い名前の神さまです。『古事記』の、大国主神の子孫をたどる系譜に登場します。国忍富神と葦那陀迦神のあいだに生まれました。大国主神のひ孫にあたります。天之甕主神の娘の前玉比売を妻として、甕主日子神をもうけました。物語は伝わらず、系譜に名前が記されるだけです。
長い名前を、少しずつ分けてみましょう。「速」は、いきおいのよいことをたたえる言葉。「甕」は、大きなかめのことで、とくに酒をかもすかめをさすとされます。「多気」は、たけだけしいこと、あるいは、いきおいのさかんなこと。そのあとの「佐波夜遅奴美」は、意味がはっきりしていません。「いきおいのよい、酒がめの、力づよい神」といったところでしょうか。
おもしろいのは、この神のまわりに、「かめ」の名前が集まっていることです。妻の父は「天之甕主神」、つまり天のかめの主。そして生まれた子は「甕主日子神」、かめの主の男神。祖父と孫が、ほとんど同じ名前です。この神をはさんで、かめの名前が三代つづいていることになります。昔の酒は、かめのなかで米をかもしてつくりました。酒は、神にささげ、神と人がともにいただく、祭りにかかせないものです。その酒がめをつかさどる一族がいたことを、この系譜は伝えているのかもしれません。祭りと酒を見まもる神さまです。
登場する主な神話
- 大国主神の子孫の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 速甕之多気佐波夜遅奴美神
- 読み
- はやみかのたけさはやじぬみのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00253
