神の衣を織っていた機屋の女神
どんな神さま?
神の衣を織っていた、若い太陽の女神です。『日本書紀』の一書に登場します。稚日女尊は、高天原の清らかな機織りの御殿で、神にささげる衣を織っていました。そこへ、あばれていた須佐之男命が、まだら毛の馬の皮をはいで、御殿のなかへ投げこみます。おどろいた稚日女尊は、機からころげ落ち、手にもっていた機織りの道具の梭で、体をきずつけて亡くなってしまいました。
これを知った天照大御神は、「あなたにはまだ悪い心がある。もう顔を合わせたくない」と言って、天の岩戸にこもります。世界が闇につつまれる、あの大事件のひきがねになったのです。『古事記』では、同じ場面で亡くなるのは、名前のない機織りの女でした。『日本書紀』の一書は、それを、りっぱな名前をもつ女神として語っています。
名前は「若い、日の女」という意味です。天照大御神には「大日孁貴」という別名があります。「大いなる日の女」。それにたいして「若い日の女」。そこで、天照大御神の妹、あるいは子、または天照大御神の若いころの姿、などと考えられています。兵庫県神戸市の生田神社は、この女神をまつる社です。神功皇后の船が海ですすめなくなったとき、この女神が「私は生田の地にいたい」と告げたと伝えられます。縁むすびと、ものごとを生み育てる神として、親しまれています。
登場する主な神話
- 天の岩戸
- 素戔嗚尊の乱暴
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 稚日女尊
- 読み
- わかひるめのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 日本書紀
- 図鑑番号
- K00317
