高天原で神の衣を織る織女
どんな神さま?
高天原で、神さまにささげる衣を織っていた女性です。とくべつに清められた機織りの建物「忌服屋」で働いていました。天照大御神も、この建物で神の衣を織らせていたと『古事記』は語ります。神にささげる布を織ることは、とても大切な仕事でした。
そこへ、高天原であばれていた須佐之男命がやってきます。須佐之男命は建物の屋根に穴をあけ、皮をはいだ馬を投げ入れました。おどろいた天服織女は、機織りの道具である梭で体をついて、亡くなってしまいます。田のあぜをこわされても弟をかばっていた天照大御神は、このできごとを見てついに心をとざし、天岩戸にこもりました。
世界から光が消える、そのきっかけとなったのが、ひとりの織女の死だったのです。『日本書紀』には、稚日女尊という女神が同じように亡くなる伝えや、天照大御神自身がけがをする伝えもあります。伊勢神宮では、いまも毎年、神さまに新しい衣をささげる祭りが行われ、古くからの織り方が受けつがれています。名もない働き手の命が、神話全体を大きく動かしました。この女性の存在は、もの作りにたずさわる人の仕事のとうとさを伝えています。
登場する主な神話
- 須佐之男命の乱暴
- 天岩戸
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 天服織女
- 読み
- あめのはたおりめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00039
