経津主神の母とされる岩の女神
どんな神さま?
剣の神・経津主神の母とされる、岩の女神です。『日本書紀』に、磐筒男命と対になって記されています。伊耶那岐神が火の神を斬った場面を語る一書のひとつに、剣の血から生まれた神として、この夫婦の名前が見えます。『古事記』には、男神にあたる石筒之男神は登場しますが、女神の名前は出てきません。
『日本書紀』の国譲りの段は、地上へつかわす神をえらぶところで、こう記しています。「磐裂神・根裂神の子の、磐筒男・磐筒女が生んだ子の、経津主神がよいでしょう」。岩をさく神、根をさく神から、岩筒の夫婦が生まれ、その子が剣の神。三代の系譜がしめされているのです。物語はなく、系譜のなかに名前がのこるだけの神さまです。
「いわつつ」の意味には、いくつかの説があります。岩にやどるふしぎな力。岩のようにかたい刀や剣。あるいは、鉄を打つときに飛びちる火花、つまり「岩の星つぶ」。火の神の血が岩に飛びちり、そこから岩をさく神が生まれ、やがて剣の神が生まれる。この流れは、岩から鉄をとり出し、火できたえて剣をつくる、鍛冶の仕事をうつしていると考えられています。剣が生まれるためには、岩と火だけでなく、それを生み育てる母の力がいりました。するどい剣の神の、母なる岩。香取神宮の神につながる、古い女神です。
登場する主な神話
- 火の神を斬る場面
- 経津主神の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 磐筒女命
- 読み
- いわつつのめのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 日本書紀
- 図鑑番号
- K00318
