布忍富鳥鳴海神の妻となった女神
どんな神さま?
『古事記』の、大国主神の子孫をたどる系譜に名前が見える女神です。布忍富鳥鳴海神の妻となり、天日腹大科度美神を生みました。大国主神から数えて、八代目の神の妻にあたります。物語は語られていません。
この系譜には、代々の妻の名前が記されていて、たいていは「だれそれの神の娘」と、父の名前がそえられています。龍神の娘、山の主の娘、ひいらぎの花の神の娘、というぐあいです。ところが、この若尽女神だけは、父の名前が書かれていません。どこの、だれの娘なのか、わからないのです。この点は、昔から学者の目を引いてきました。
名前の字や読み方にも、いくつかの説があります。「尽」の字を「つくし」と読んで、筑紫、つまり九州にかかわる女神とみる説。もとは「若昼女」と書いて「わかひるめ」と読んだのではないか、とする説。「わかひるめ」は、「若い、日の女」という意味で、『日本書紀』には、稚日女尊という、機織りをする若い太陽の女神が登場します。もしこの読み方が正しければ、出雲の神の系譜に、太陽の女神の名前がまぎれこんでいることになります。子の名前には「天日腹」、天の日、という言葉があり、太陽とのかかわりを思わせます。たしかなことはわかりません。けれども、わからないことがあるからこそ、古い書物はおもしろいのです。なぞをひめた女神です。
登場する主な神話
- 大国主神の子孫の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 若尽女神
- 読み
- わかつくしめのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00304
