二柱の祖先神に通じる名の神
どんな神さま?
祖先の神々の名前を受けついだ神さまです。『古事記』の、大国主神の子孫をたどる系譜に登場します。美呂浪神と、沼の姫・青沼馬沼押比売のあいだに生まれました。大国主神から数えて、八代目にあたります。若尽女神を妻として、天日腹大科度美神をもうけました。物語は語られていません。
この神の長い名前は、ふたつに分けることができます。前半の「布忍富」は、祖先の国忍富神の「忍富」と同じです。後半の「鳥鳴海」は、さらにその父、鳥鳴海神の名前そのものです。つまり、七代前と六代前の、ふたりの祖先の名前を合わせて、ひとつの名前にしているのです。国忍富神は「国がすみずみまでゆたかに富む」、鳥鳴海神は「鳥が鳴く、鳴りひびく海」という意味とされます。
祖先の名前の一部を子孫が受けつぐことは、いまでもよくあります。おじいさんの名前から一字もらう、というならわしです。千三百年以上前の神話の系譜にも、同じ考え方があったことがわかります。名前を受けつぐことは、その人の力やねがいを受けつぐことでもありました。長い系譜のなかほどをすぎたところで、もういちど祖先の名前を思い出し、一族のつながりをたしかめている。そんなふうにも読めます。祖先とのきずなを大切にする心を、名前で伝える神さまです。
登場する主な神話
- 大国主神の子孫の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 布忍富鳥鳴海神
- 読み
- ぬのおしとみとりなるみのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00244
