沼の名をもつ敷山主神の娘
どんな神さま?
『古事記』の、大国主神の子孫をたどる系譜に名前が見える女神です。敷山主神の娘で、美呂浪神の妻となり、布忍富鳥鳴海神を生みました。大国主神から数えて七代目の神の妻にあたります。物語は語られず、『古事記』のほかの書物には名前が見えません。
名前の読み方には、いくつもの説があります。「あおぬうまぬおしひめ」と読むのがふつうですが、定まってはいません。「沼」の字が二度出てくることから、沼にかかわる名であることはたしかだと考えられています。青あおとした沼、うまし沼。そうした沼をすべておさめる姫、と読みとく説などがあります。
沼は、昔の人にとって大切な場所でした。魚や貝、水鳥がとれ、まわりには葦がしげり、やがて田んぼにつくりかえることもできます。父の敷山主神は山の主、夫の美呂浪神は波にかかわる名をもつとされます。山の神の娘である沼の姫が、波の神と結ばれて、鳥の鳴く海の神を生んだことになります。山、沼、波、海、鳥。短い系譜のなかに、出雲の水辺の風景がそっくりおさめられているようです。名前だけの女神ですが、土地の豊かさを伝えています。
登場する主な神話
- 大国主神の子孫の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 青沼馬沼押比売
- 読み
- あおぬうまぬおしひめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00057
