八千矛神と歌を交わした高志の女神
どんな神さま?
大国主神と歌をかわした、越の国の女神です。八千矛神、つまり大国主神は、遠い高志の国に、かしこく美しい姫がいると聞いて、はるばる求婚に出かけました。姫の家につくと、戸の外に立ったまま、長い歌をうたいかけます。「太刀のひももとかず、上着もぬがないうちに、乙女のねむる家の戸を、おしたり引いたりして立っていると、山では鳥が鳴き、野では雉がさわぎ、庭ではにわとりが鳴く。夜が明けてしまうではないか」。
沼河比売は、戸をあけないまま、歌でこたえました。「私はなよやかな草のような女。いまは自分の思うままにふるまう鳥ですが、のちにはあなたの鳥になりましょう。どうか、鳥たちを殺さないで。日が山にかくれたら、夜においでください」。そして次の夜、ふたりは結ばれます。相手をじらしながら、やさしくこたえる。日本でいちばん古い恋の歌のやりとりのひとつです。
名前の「ぬなかわ」は、「玉の川」という意味とされます。いまの新潟県糸魚川市のあたりは、美しい緑の石、ひすいの産地です。ここでとれたひすいは、大昔から日本じゅうに運ばれ、まが玉にされました。出雲の神と、ひすいの国の姫の結婚は、ふたつの土地のむすびつきをあらわすと考えられています。地元では、諏訪の神・建御名方神の母とも伝えられています。
登場する主な神話
- 八千矛神の求婚の歌
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 沼河比売
- 読み
- ぬなかわひめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00243
