※この解説は、出典の確認を続けています。
求婚を受けずに隠れた出雲の女神
どんな神さま?
大国主神の求婚を受けずに、かくれてしまった出雲の女神です。『古事記』や『日本書紀』には登場しません。『出雲国風土記』の、出雲郡宇賀郷のところに出てきます。神魂命、つまり神産巣日神の娘とされています。
風土記はこう語ります。「天の下をおつくりになった大神」、つまり大国主神が、綾門日女命に結婚を申しこみました。ところが女神は、うんと言わず、逃げてかくれてしまいます。大神は、女神がどこにいるのか、あちこちうかがい、さがしもとめました。その場所が、この郷です。それで、「うかがう」から「宇賀」というのだ、と。国をつくった大いなる神でも、ふられることがあったのです。
『古事記』の大国主神は、越の沼河比売に歌をおくって結ばれるなど、恋多き神としてえがかれます。『出雲国風土記』にも、大神があちこちの女神のもとへかよう話が、いくつも出てきます。そのなかで、この女神は、はっきりとことわり、逃げとおしました。名前の「あやと」は、美しいもようのある門、あるいは、あやしくふしぎな門、といった意味とされます。この宇賀郷の海べには、「夢でこの岩屋のあたりに行くと、かならず死ぬ」といわれ、黄泉の国の入口とされた洞くつがあることも、風土記は記しています。ふしぎな気配のただよう土地の、自分の意志をつらぬいた女神です。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 出雲国風土記・出雲郡宇賀郷の地名由来
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 綾門日女命
- 読み
- あやとひめのみこと
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 出雲国風土記
- 図鑑番号
- K00350
