天若日子のもとへ遣わされた雉
どんな神さま?
天の神の使いとして、地上につかわされた雉です。高天原から国譲りの使いとして送られた天若日子は、大国主神の娘と結婚して、八年たっても知らせをよこしませんでした。天照大御神と高御産巣日神は、神々に相談します。「だれをつかわして、わけをたずねさせようか」。思金神たちは答えました。「雉の、名は鳴女をおつかわしください」。
鳴女は天から降り、天若日子の家の門にある、かつらの木にとまりました。そして、天の神の言葉を、ひとこともたがえずに伝えます。「おまえを地上につかわしたのは、あらぶる神々をしたがわせるためだ。なぜ八年たっても知らせをよこさないのか」。ところが、その声を聞いた天佐具売が「この鳥は鳴き声が悪い。射殺しなさい」と言い、天若日子は、天からさずかった弓矢で鳴女を射殺してしまいました。矢は雉の胸をつらぬいて、天までとどきます。
鳴女は、まじめにつとめをはたしただけでした。それなのに命を落とし、帰ることはありませんでした。「雉のひた使い」ということわざは、ここから生まれたとされます。行ったきり、帰ってこない使いのことです。雉は、日本の国鳥です。するどい声で鳴き、危険をいちはやく知らせる鳥として知られています。正しいことをまっすぐに伝えた、勇気ある使いです。
登場する主な神話
- 国譲り
- 天若日子の反逆
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 鳴女
- 読み
- なきめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00235
