祝詞の原文表記は「八衢比古」。道の分かれ目で災いの侵入を防ぐ神。同じ祝詞に八衢比売・久那斗(岐神)
※この解説は、出典の確認を続けています。
道の分かれ目で災いを防ぐ神
どんな神さま?
道の分かれめに立って、わざわいをふせぐ男の神さまです。『古事記』や『日本書紀』の物語には登場しません。『延喜式』におさめられた、「道饗祭」という祭りの祝詞に、八衢比売神、岐神とともに、名前があげられています。
「やちまた」は、「八つのちまた」。道がいくつにも分かれる、大きな辻のことです。たくさんの人や物が行きかう辻は、にぎやかな場所であると同時に、どこからか悪いものが入りこんでくる、あぶない場所とも考えられていました。はやり病は、目に見えない悪い神が、道を通って都に入ってくるためにおこる。昔の人は、そう信じていたのです。
そこで朝廷は、毎年六月と十二月に、都の四すみの道の上で、道饗祭を行いました。道の神々に、たくさんのごちそうをそなえて、こう祈ります。「根の国・底の国から、あらあらしくやってくるものに、心をあわせることなく、下から来れば下をまもり、上から来れば上をまもり、夜も昼もまもってください」。道の神に入口をかためてもらい、悪いものを都に入れないようにしたのです。天孫降臨のとき、猿田毘古神が立っていたのも「天の八衢」でした。村の入口や辻に立つ道祖神は、この神々の流れをくむとされます。人の行き来を見まもり、わざわいをくいとめる。交通安全と、疫病よけの神さまです。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 延喜式祝詞「道饗祭」
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 八衢比古神
- 読み
- やちまたひこのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 延喜式(祝詞「道饗祭」)
- 図鑑番号
- K00376
