祝詞の原文表記は「八衢比売」。道の分かれ目で災いの侵入を防ぐ神。同じ祝詞に八衢比古・久那斗(岐神)
※この解説は、出典の確認を続けています。
道の分かれ目で災いを防ぐ神
どんな神さま?
道の分かれめに立って、わざわいをふせぐ女の神さまです。『古事記』や『日本書紀』の物語には登場しません。『延喜式』におさめられた、「道饗祭」という祭りの祝詞に、八衢比古神、岐神とともに、名前があげられています。
「やちまた」は、道がいくつにも分かれる、大きな辻のこと。八衢比古神が男の神、八衢比売神が女の神で、ふたりはひと組です。辻や、村のさかいに、男と女の神をならべてまつることは、日本の各地に見られます。信州などの道ばたでよく見かける、男女がよりそった姿の石の道祖神は、そのひとつです。男女の神がなかよくならぶ姿は、子宝や、家族のしあわせをまもるしるしともされました。
道饗祭は、毎年六月と十二月、都の四すみの道の上で行われました。はやり病をもたらす悪いものが、都に入ってこないように、道の神々にごちそうをそなえて、まもりをお願いする祭りです。祝詞は、「大きな岩がどっしりとふさがるように、道をふさいでください」と祈ります。病気を、力でうちまかすのではなく、入口でおしとどめる。うがいや手あらいで、病気を体に入れないようにするのと、同じ考え方です。昔の人も、いまの私たちも、はやり病をおそれる気持ちは、かわりません。家族や町を、病気からまもりたい。その願いを、千年以上も受けとめてきた女神です。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 延喜式祝詞「道饗祭」
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 八衢比売神
- 読み
- やちまたひめのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 延喜式(祝詞「道饗祭」)
- 図鑑番号
- K00377
