神武天皇の皇子。古事記では意富臣など19氏の祖、日本書紀では多臣の祖とされる(太安万侶は多氏の人物)
弟に位をゆずった神武天皇の皇子
どんな神さま?
弟に位をゆずった、神武天皇の皇子です。初代・神武天皇が亡くなったあと、あとつぎをめぐって、事件がおこりました。母ちがいの兄・当芸志美美命が、三人の弟たちを殺して、自分が位につこうとたくらんだのです。母の后は、それを歌にこめて、子どもたちに知らせました。「川から雲がわき立ち、山の木の葉がざわめいている。いまに風が吹くでしょう」。
歌の意味をさとった兄弟は、先に兄を討とうとします。弟の神沼河耳命が言いました。「兄上、武器をもって、中に入って討ってください」。神八井耳命は、武器を手に入っていきましたが、手足がふるえて、どうしても討つことができません。弟が、兄の武器を受けとって入り、みごとに討ちとりました。
神八井耳命は、弟に言います。「私は、かたきを討つことができなかった。あなたは、りっぱにやりとげた。私は兄だけれど、上に立つべきではない。あなたが天皇となって、天下をおさめなさい。私はあなたを助けて、神をまつる者としてお仕えしよう」。自分の弱さをみとめ、弟にゆずる。それもまた、勇気のいることです。この神は、多くの氏族の祖先とされます。『古事記』を書きあげた太安万侶も、その子孫のひとりです。
登場する主な神話
- 当芸志美美命の反逆
- 綏靖天皇の即位
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 神八井耳命
- 読み
- かむやいみみのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記・日本書紀
- 図鑑番号
- K00378
