袴から生まれた、分かれ道の神
どんな神さま?
分かれ道にいる神さまです。黄泉の国から帰った伊耶那岐神は、禊をする前に、身につけていたものを次々と投げすてました。杖、帯、袋、衣とつづき、五番目に投げすてたのが、はかまです。そのはかまから生まれたのが、道俣神でした。
「ちまた」は、「道のまた」。道がふたつに分かれるところです。はかまは、足を入れるところがふたまたに分かれています。その形が分かれ道に似ているので、はかまから道のまたの神が生まれた、と考えられています。昔の人の、形から形を思いうかべる力が、よくあらわれた話です。いまも「ちまたのうわさ」というときの「ちまた」は、人が行きかうにぎやかな町なかのこと。もとは、この分かれ道をさす言葉でした。
分かれ道は、どちらへ行くかをえらぶ場所です。そして、あちこちから人や物が集まり、また、悪いものや病気も入りこんでくる場所と考えられていました。だから人びとは、辻や村の入口に神をまつって、悪いものが入らないよう祈りました。都では、四方の道の入口で、八衢比古神、八衢比売神、そして岐神をまつる祭りが行われています。道俣神は、こうした道の神々と同じはたらきをする神と考えられています。まよったとき、どちらの道をえらぶか。そのかたわらに立つ神さまです。
登場する主な神話
- 伊耶那岐命の禊
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 道俣神
- 読み
- ちまたのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00208
