綱の長い深い井戸を表す神
どんな神さま?
つるべの綱が長い、深い井戸をあらわす神さまです。『古事記』や『日本書紀』の物語には登場しません。平安時代の『延喜式』に、宮中で巫女がまつる五柱の神のひとりとして記されています。生井神、福井神、綱長井神、波比岐神、阿須波神。宮殿の敷地をまもる神々です。
名前の「つなが」は、「綱が長い」こと。井戸の水をくむには、おけに綱をつけた「つるべ」を、井戸のなかにおろします。井戸が深ければ深いほど、長い綱がいります。「綱長井」は、綱を長くのばさなければとどかない、深い井戸のことです。深い井戸の水は、夏はつめたく、冬はあたたかく、日でりのときにもかれません。地面の深いところを流れる、清らかな水だからです。
三柱の井戸の神のうち、生井神はいきいきとわく井戸、福井神はさかえる井戸。そしてこの神は、深くて、かれない井戸です。深くほるのは、たいへんな仕事ですが、そのぶん、いつまでもたよれる水がえられます。長い綱は、長くつづくことのしるしでもあります。家が長くつづくこと、命が長くつづくこと。そんな願いも、この名前にこめられたのでしょう。大阪市の坐摩神社や、島根県出雲市の御井神社に、ほかの井戸の神とともにまつられています。目に見えない深いところに、ゆたかなめぐみがある。こつこつと深くほることの大切さを、教えてくれる神さまです。
登場する主な神話
- 宮中の座摩の神
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 綱長井神
- 読み
- つながいのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 延喜式
- 図鑑番号
- K00341
