料理と調味料を守る、膳の神さま
どんな神さま?
料理と調味料をまもる、お膳の神さまです。『古事記』や『日本書紀』の神話には登場しません。宮中で、天皇の食事をととのえる役所にまつられた神とされ、『延喜式』にその名前が見えます。料理人や、みそ、しょうゆなどをつくる人びとに、古くから信仰されてきました。
千葉県南房総市の高家神社では、この神は、磐鹿六雁命をたたえた名前だと伝えられています。磐鹿六雁命は、景行天皇が房総の地をおとずれたとき、海でとったかつおと、はまぐりを、みごとに料理してさし出した人です。天皇はたいそうよろこんで、子孫まで代々、宮中の料理をつかさどる役目をさずけました。日本の料理人の、はじまりの人とされています。
「たかべ」は、「高い」と「瓮」、つまり、高く大きなかめのことで、みそやしょうゆなどをしこむ、かめをあらわすとする説があります。しょうゆのことを、昔は「ひしお」と呼びました。豆や魚を塩につけて、ねかせてつくる調味料です。高家神社では、いまも毎年、「庖丁式」が行われます。えぼしをかぶった料理人が、魚にいっさい手をふれず、包丁と長いはしだけで、たいやこいをさばく、古い儀式です。『延喜式』に名前がのる古い社で、全国の料理人や、しょうゆづくりにたずさわる人びとがおまいりします。おいしい食事をつくる人の神さまです。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 高倍神
- 読み
- たかべのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 延喜式
- 図鑑番号
- K00342
