紀の表記は「磐鹿六鴈」。景行天皇に白蛤の膾を献じた料理の祖神。高家神社(千葉県南房総市)の祭神
天皇に料理をささげた料理の祖神
どんな神さま?
天皇に料理をささげた、料理人の祖先とされる神さまです。『日本書紀』の、景行天皇の段に登場します。景行天皇は、亡くなったわが子・倭建命をしのんで、その子がしずめた東の国ぐにをめぐる旅に出ました。そのお供をしていたのが、磐鹿六雁命です。
一行が房総の海べについたとき、ふしぎな鳥の声が聞こえました。天皇は、その鳥の姿を見たいと思い、海のなかまで入っていきます。そのとき、白い大きなはまぐりがとれました。磐鹿六雁命は、がまの葉をたすきにかけ、そのはまぐりを、なますに料理して、天皇にさし出します。古い言い伝えでは、かつおも釣りあげて料理した、とされています。天皇は、そのうでまえをたいそうほめて、宮中の食事をつかさどる役目をさずけました。
この神の子孫は、代々、天皇の食事をととのえる仕事を受けつぎます。日本の料理人の、はじまりの人です。千葉県南房総市の高家神社は、この神を料理の祖神としてまつっています。境内には、古くなった包丁をおさめる塚があり、全国から料理人がおとずれます。毎年行われる「庖丁式」では、魚に手をふれず、包丁と長いはしだけで、たいやこいをさばきます。平安時代から伝わる、おごそかな儀式です。おいしいものをつくって、人によろこんでもらう。その心の、みなもとにいる神さまです。
登場する主な神話
- 景行天皇の東国巡幸(日本書紀)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 磐鹿六雁命
- 読み
- いわかむつかりのみこと
- 区分
- 記紀の神(副:祭祀の神)
- 主な出典
- 日本書紀(景行天皇五十三年十月条)・高橋氏文
- 別名・表記
- 磐鹿六鴈 いわかむつかり
日本書紀表記・表記ゆれ
- 磐鹿六鴈 いわかむつかり
- 図鑑番号
- K00373
