栄える井戸を表す宮中の神
どんな神さま?
さかえる井戸をあらわす神さまです。『古事記』や『日本書紀』の物語には登場しません。平安時代の『延喜式』に、宮中で巫女がまつる五柱の神のひとりとして記されています。生井神、福井神、綱長井神、波比岐神、阿須波神。宮殿の敷地をまもる神々です。
名前は「福井」と書いて、「さくい」と読みます。「さく」は、「さかえる」の「さか」と同じ言葉で、いきおいがさかんなこと、しあわせに満ちていることをあらわします。「さかえる井戸」、つまり、水がゆたかにあふれ、そのまわりに人があつまって、にぎわう井戸、という意味です。「福」の字をあてているとおり、しあわせをもたらす井戸でもあります。
よい井戸のまわりには、人があつまり、家がふえ、やがて村や町になります。水のゆたかな土地は、さかえるのです。日本の地名には、「福井」「桜井」「酒井」など、「井」のつくものがたくさんあります。どれも、よい水のわくところに、人がすみついたことをしめしています。三柱の井戸の神は、「いきいきとわく井戸」「さかえる井戸」「つるべの綱が長い、深い井戸」。水がたえないこと、ゆたかであること、深いところからくむ清らかな水であること。井戸にこめた三つの願いが、名前になっています。大阪市の坐摩神社にまつられています。家がさかえ、くらしがうるおうように祈る神さまです。
登場する主な神話
- 宮中の座摩の神
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 福井神
- 読み
- さくいのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 延喜式
- 図鑑番号
- K00340
