下光比売命ともいう大国主神の娘
どんな神さま?
和歌のはじまりにかかわる、大国主神の娘です。大国主神と、宗像の女神・多紀理毘売命のあいだに生まれました。兄は阿遅志貴高日子根神です。下光比売命、つまり「下てる姫」という別名をもち、その美しさが地上をてらすほどだった、という意味と考えられています。
高比売命は、高天原からつかわされた天若日子の妻となりました。けれども夫は、つとめをはたさず、天から返された矢に当たって亡くなります。なげき悲しむ声は、風にのって天までとどいたといいます。葬儀の場に、兄の阿遅志貴高日子根神が弔いにおとずれました。ところが、亡くなった夫とそっくりだったため、家族にまちがえられ、怒った兄は喪屋を切りたおして飛びさってしまいます。
そのとき高比売命は、飛びさる兄の名を人びとに知らせようと、歌をよみました。「天の機織り女が首にかける玉のように、谷をふたつもこえてかがやくのは、阿遅志貴高日子根の神です」。この歌は「夷振」と呼ばれ、宮中に伝えられました。のちに『古今和歌集』は、和歌は天では下照姫にはじまり、地では須佐之男命にはじまった、と記しています。夫を失った悲しみのなかで、兄のかがやきを歌にした。和歌の祖とされる女神です。
登場する主な神話
- 大国主神の系譜
- 天若日子の弔い
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 高比売命
- 読み
- たかひめのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00191
