香用比売が生んだ第一の子
どんな神さま?
『古事記』の大年神の系譜に名前が見える神さまです。穀物の神・大年神には三柱の妻がいて、そのひとり香用比売とのあいだに二柱の子が生まれました。先に名前があがるのがこの大香山戸臣神、次が御年神です。物語は語られず、名前だけが記されています。
名前の「香」は、かがやくという意味とする説があります。母の香用比売の名前にも同じ字があり、親子で光りかがやくようすをあらわしているのかもしれません。もうひとつの見方は、「香山」を奈良の天の香具山とむすびつけるものです。香具山は、天から降ってきたと伝えられるとくべつな山で、その土やさかきの木は、神さまをまつる祭りにつかわれました。
弟の御年神は、稲のみのりの神で、朝廷が春に豊作を祈る祭りの中心となる神です。その兄が、祭りにかかせない聖なる山の神だとすれば、兄弟で「祭りの場」と「みのり」をになっていることになります。大年神のもうひとりの妻の子にも、よく似た名前の香山戸臣神がいて、かかわりがあると考えられています。かがやく山のふもとで、人びとが稲のみのりを祈る。そんな古い祭りの風景が、この名前の向こうに見えてくるようです。
登場する主な神話
- 大年神の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 大香山戸臣神
- 読み
- おおかぐやまとおみのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00101
