水の中ほどで生まれた綿津見の神
どんな神さま?
海の中ほどで生まれた、綿津見の神さまです。黄泉の国から帰った伊耶那岐神が禊をしたとき、水の底で底津綿津見神が、水の中ほどで身をすすいだときに、この中津綿津見神が、そして水面で上津綿津見神が生まれました。「わたつみ」は「海の神」をあらわす古い言葉です。
海の底、中ほど、水面。三つの深さに、それぞれ神がいます。中ほどの海は、たいやぶり、いわしのむれが泳ぎまわる、魚たちの世界です。あみを入れ、つり糸をたらす漁師たちが、めぐみをいただく場所でもあります。光はうすくさしこみ、潮の流れが体をおします。中津綿津見神は、そのゆたかな海のふところをつかさどる神といえるでしょう。
『古事記』は、この三柱の綿津見神を、阿曇連という一族が祖先の神としてまつっていると記しています。阿曇氏は、海人たちをひきいて、船をあやつり、朝廷に魚や貝をおさめました。福岡県の志賀島にある志賀海神社は、その本拠とされ、三柱の綿津見神をまつっています。神社のお祭りでは、「君が代」のもとになったとされる古い歌がとなえられ、海の神に豊漁を祈ります。同じ禊の場面で、住吉の三柱も生まれました。綿津見の神は阿曇氏が、住吉の神は別の一族がまつったと考えられています。海にくらす人びとの祈りが、神話にきざまれているのです。
登場する主な神話
- 伊耶那岐命の禊
- 阿曇連の祖神
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 中津綿津見神
- 読み
- なかつわたつみのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00233
祀る主な神社
- 志賀海神社 福岡県公式サイト
