国じゅうに木の種をまいた木の神
どんな神さま?
国じゅうに木の種をまいた、木の神さまです。『日本書紀』の一書に登場する、須佐之男命の子です。高天原を追われた父とともに、はじめは新羅の国に降りました。そのとき、天から、たくさんの木の種を持ってきていました。けれども、その国には種をまかず、すべて持って海をわたり、日本にやってきます。
そして、九州からはじめて、日本じゅうの山に、種をまいてまわりました。おかげで、この国の山は、どこも青あおとした森におおわれた、と『日本書紀』は語ります。別の伝えでは、妹の大屋津姫命、抓津姫命とともに、三人で木を広めたともされます。父の須佐之男命は、自分のひげや体の毛から、杉、ひのき、まき、楠を生み出し、「杉と楠は船に、ひのきは宮殿に」と、使い道をさだめました。
仕事をおえた五十猛神は、紀伊の国、いまの和歌山県にしずまります。「紀伊」は、もと「木の国」。和歌山市の伊太祁曽神社が、この神をまつる社です。大国主神が兄たちに追われたとき、木の国でかくまい、木のまたをくぐらせて逃がした神は、この神と同じ神、ともいわれます。神社には、くぐると厄よけになる、大きな木のまたがあります。木を植えることは、百年先の人びとへのおくりものです。森をまもり、育てる人びとの神さまです。
登場する主な神話
- 素戔嗚尊とともに新羅から出雲へ渡る
- 木の種をまいて青山とする
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 五十猛神
- 読み
- いたけるのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 日本書紀。樹木の種を全国に播いた木の神。伊太祁曽神社
- 図鑑番号
- K00402
