兄姉と木の種をまいた女神
どんな神さま?
兄や姉とともに、国じゅうに木の種をまいた女神です。『日本書紀』の一書に登場する、須佐之男命の娘です。兄は五十猛神、姉は大屋津姫命。三きょうだいは、天から持ってきたたくさんの木の種を、九州からはじめて、日本じゅうにまいてまわりました。それで、この国の山はどこも青あおとしている、と伝えられます。
父の須佐之男命は、自分のひげや体の毛から、杉、ひのき、まき、楠を生み出し、「杉と楠は船に、ひのきは宮殿に、まきは棺に」と使い道をさだめました。木は、ただ生えているだけではありません。切って、けずって、組み合わせて、人のくらしに役立てるものです。この神話には、木を上手に使いわける、昔の人の深い知恵がこめられています。
名前の「つま」は、建物をつくるために切りそろえた材木のこと、とする説があります。姉の大屋津姫命が「大きな家」の神、妹のこの神が「材木」の神。兄が木を植え、妹が材木をととのえ、姉が家を建てる。三きょうだいで、森から家ができるまでをになっていることになります。三柱は、紀伊の国、つまり「木の国」にしずまりました。和歌山市の都麻都姫神社などにまつられています。山に木を植えることは、何十年も先の子や孫のための仕事です。未来のために種をまく。その大切さを教えてくれる女神です。
登場する主な神話
- 木の種をまく三神
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 抓津姫命
- 読み
- つまつひめのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 日本書紀
- 図鑑番号
- K00323
