白い和幣を作った阿波忌部の祖
どんな神さま?
神にささげる白い布をつくった、阿波の国の神さまです。『古語拾遺』に登場し、阿波の国、いまの徳島県の忌部氏の祖先とされます。忌部氏は、朝廷の祭りにつかう道具やそなえものをととのえた一族です。『古語拾遺』は、その忌部氏の人が、平安時代のはじめに書いた書物で、『古事記』や『日本書紀』にはない話をたくさん伝えています。
天照大御神が天の岩戸にこもったとき、神々はそれぞれのとくいなわざで、祭りの準備をしました。天日鷲命は、津咋見神とともに、かじの木を植え、その皮のせんいから、白い和幣をつくります。和幣とは、神にささげる布のこと。さかきの枝にかけて、岩戸の前にかざられました。神社で見かける、白い紙をたらした「しで」は、この布のなごりです。
阿波の忌部氏は、麻やかじの木を育てて、布を織りました。天皇が位についてはじめて行う大嘗祭では、いまも、徳島でつくられた麻の織物がささげられます。千年以上つづく、たいへん古いならわしです。名前に「鷲」の字があることから、のちには、おおとりの神としても信仰されました。東京の浅草などで十一月に行われる「酉の市」は、この神をまつる鷲神社のお祭りです。福をかきあつめる、くまでの市でにぎわいます。紙や布、商売の神さまです。
登場する主な神話
- 天の岩戸(古語拾遺)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 天日鷲命
- 読み
- あめのひわしのみこと
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 古語拾遺
- 図鑑番号
- K00324
