天日鷲命と白い和幣を作った神
どんな神さま?
天日鷲命とともに、神にささげる白い布をつくった神さまです。『古語拾遺』の、天の岩戸の場面に名前が見えます。天照大御神が岩戸にこもったとき、神々は、鏡、玉、布、御殿、楽器など、祭りにいるものを、手分けしてつくりました。そのなかで、津咋見神は、天日鷲命とともに、かじの木を植え、白い和幣をつくったと記されています。
和幣は、神にささげる布のことです。かじの木は、くわのなかまの木で、その皮のせんいは、白くてじょうぶな布になりました。これを「ゆう」と呼びます。ゆうでつくった白い和幣は、さかきの枝にかけて、神の前にささげられました。『古語拾遺』は、「植えた木は、ひと晩のうちにしげった」と伝えています。神のわざだから、またたくまに育ったのです。
この神については、これ以外の物語や、どの一族の祖先かといったことは、伝わっていません。名前の意味も、はっきりしません。けれども、名前がのこっているということは、白い布をつくるわざをもつ人びとが、この神を大切にまつっていたということです。かじの木の皮は、のちに、和紙の材料にもなりました。神社のしめなわにつける白い「しで」も、もとは布でしたが、いまは紙でつくります。かじの葉は、七夕に、願いごとを書く葉としても使われました。布と紙。白く清らかなものをつくる仕事の神さまです。
登場する主な神話
- 天の岩戸(古語拾遺)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 津咋見神
- 読み
- つくいみのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 古語拾遺
- 図鑑番号
- K00328
