倭文の布を織った機織りの神
どんな神さま?
「倭文」という布を織った、機織りの神さまです。『古語拾遺』に登場し、倭文氏という一族の遠い祖先とされます。天照大御神が天の岩戸にこもったとき、神々はそれぞれのわざで祭りの準備をしました。天羽槌雄神は、倭文の布を織ります。
「倭文」は、「しとり」または「しず」と読みます。麻や、かじの木のせんいを、赤や青にそめて、しまもようなどを織り出した、日本に古くからある布です。「倭の文」、つまり「日本のもよう」という字が、そのことをしめしています。海の向こうから絹のきらびやかな織物が伝わる前から、人びとが織っていた、すなおで力づよい布でした。
この神は、布を織るだけでなく、武のはたらきもしています。『日本書紀』によると、国譲りのあと、ただひとり最後までしたがわなかったのが、星の神・天津甕星でした。剣の神たちも手をやいたこの星の神を、ついにしたがわせたのが、倭文の神・建葉槌命です。天羽槌雄神と同じ神と考えられています。なぜ機織りの神が、星の神に勝てたのでしょうか。織物のたて糸とよこ糸で、星をあみのようにからめとったのだ、ともいわれます。鳥取県の倭文神社や、茨城県の静神社にまつられています。織物の神、そして安産の神として信仰されています。
登場する主な神話
- 天の岩戸(古語拾遺)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 天羽槌雄神
- 読み
- あめのはづちおのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 古語拾遺
- 図鑑番号
- K00329
