最後まで従わなかった星の神
どんな神さま?
最後までしたがわなかった、星の神さまです。『日本書紀』に登場し、別名を天香香背男といいます。『古事記』には、名前が見えません。日本の神話には、太陽の神、月の神はいても、星の神は、ほとんど出てきません。そのなかで、はっきりと「星の神」とされる、めずらしい神です。
国譲りのとき、剣の神である経津主神と建御雷神は、地上のあらぶる神々を、次々としたがわせていきました。草や木、石にいたるまで、すべてをしずめます。ところが、ただひとり、最後までしたがわなかった神がいました。それが、星の神・香香背男です。剣の神たちの力をもってしても、どうにもなりません。そこで、機織りの神である倭文神・建葉槌命がつかわされ、ようやくしたがわせることができた、と『日本書紀』は記しています。べつの伝えでは、「天に悪い神がいる。まずこの神を討ってから、地上をしずめましょう」と、まっ先に討つべき相手とされています。
名前の「みか」は、おごそかなこと。「かがせお」は、「かがやく男」。明けの明星、つまり金星のこと、とする説があります。太陽がのぼっても、最後までかがやいている星です。茨城県日立市の大甕神社には、この神をふうじこめたと伝える、大きな岩があります。強いものに、たやすくはしたがわない。ほこり高い、星の神です。
登場する主な神話
- 国譲り
- 葦原中国の平定
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 天津甕星
- 読み
- あまつみかぼし
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 日本書紀(別名 天香香背男)。星の神。星神社・星宮社
- 図鑑番号
- K00407
