天岩戸で神衣を織った機織りの女神
どんな神さま?
天の岩戸の祭りで、神の衣を織った、機織りの女神です。平安時代のはじめに書かれた『古語拾遺』に登場します。天照大御神が岩戸にこもったとき、神々は、鏡や玉、布、御殿などを手分けしてつくりました。天棚機姫神は、神衣を織ったと記されています。神衣とは、神さまがお召しになる、やわらかな絹のきもののことです。『古事記』『日本書紀』には、この名前は見えません。
「たなばた」は、「棚機」と書きます。「たな」は、水辺などにもうけた、とくべつな台のこと。その上にすえた機で布を織ることを「棚機」といい、織る女性を「棚機つ女」と呼びました。昔、村からえらばれた乙女が、水辺の小屋にこもって、神をむかえるための布を織る、というならわしがあったと考えられています。
七月七日の「七夕」を「たなばた」と読むのは、ここから来ています。中国から伝わった、おりひめとひこぼしの星の物語と、日本に古くからあった棚機つ女の信仰が、むすびついたのです。おりひめは、機織りの上手な天の娘でした。七夕に、手芸や習いごとが上手になるよう願うのは、そのためです。短冊に願いごとを書いて笹につるすとき、機を織る女神のことを思い出してみてください。織物と、ものづくりの上達をつかさどる女神です。
登場する主な神話
- 天岩戸(『古語拾遺』)
- (記紀にはこの名で登場しません)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 天棚機姫神
- 読み
- あめのたなばたひめのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 古語拾遺
- 図鑑番号
- K00330
