水の神・淤加美神の娘である女神
どんな神さま?
水の龍神の娘である女神です。『古事記』の、大国主神の子孫をたどる系譜に登場します。水の神である淤加美神の娘で、大国主神の子孫の甕主日子神の妻となりました。そして、多比理岐志麻流美神を生みます。物語は伝わらず、系譜に名前が記されるだけです。
父の淤加美神は、谷や泉にすんで、雨や雪をふらせる龍神です。同じ神は、ずっと前の代にも、日河比売の父として登場していました。須佐之男命の孫の妻も、大国主神の子孫の妻も、同じ龍神の娘なのです。出雲の神々の一族が、代をこえて、水の神とむすびつきをたもっていたことをあらわしていると考えられています。
名前の意味には、いくつかの説があります。「ならし」を、たいらにならす、しずめる、という意味にとって、あらあらしい水のいきおいをしずめる巫女とみる説があります。大雨で川があふれるとき、水の神に祈って、その怒りをしずめる。そんな役目をもつ女性の姿が、名前のもとにあるのかもしれません。夫は、神聖なかめをつかさどる神です。かめには、水や酒をたくわえます。水の神の娘が、かめの神の妻になる。水をしずめ、うつわにおさめて、人のくらしに役立てる。この夫婦の名前には、あばれる水をおさめて使いこなしてきた、人びとの長い努力がこめられているようです。
登場する主な神話
- 大国主神の子孫の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 比那良志毘売
- 読み
- ひならしびめ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00259
