富を切り拓く、開拓と殖産の神
どんな神さま?
新しい土地をきりひらいた、開拓の神さまです。『古語拾遺』に登場します。天の岩戸の祭りでそなえものをささげた布刀玉命の、孫にあたります。祖父から受けついだ、祭りの道具をととのえる仕事を、一族をひきいてになった神です。
神武天皇が大和に都をひらいたとき、天富命は、手置帆負命と彦狭知命の孫たちをひきいて、山から木を切り出し、橿原の宮殿を建てました。また、鏡や玉、矛、盾、布など、祭りにいるものを、それぞれの一族につくらせます。さらに、麻やかじの木がよく育つ土地をもとめて、阿波の国、いまの徳島県へ行き、そこで布づくりをさかんにしました。
それだけではありません。天富命は、阿波の人びとの一部をつれて、船で東の国へわたります。たどりついた房総半島に、麻とかじの木を植えると、よく育ちました。麻のことを、古い言葉で「ふさ」といいます。それで、その地を「総の国」と呼ぶようになりました。いまの千葉県の、上総、下総という地名のもとです。また、阿波の人びとがすんだ半島の先を「安房」と名づけ、そこに祖父の布刀玉命をまつる社を建てました。これが、館山市の安房神社のはじまりとされています。海をわたって新しい土地をひらき、産業をおこした神。事業をはじめる人、ものづくりをする人に信仰されています。
登場する主な神話
- 橿原の宮の造営
- 東国の開拓
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
日本三大金運神社
石川県の金剱宮、山梨県の新屋山神社、千葉県の安房神社は、「日本三大金運神社」と呼ばれることがあります。この神さまは、そのひとつ、千葉県の安房神社にまつられています。
じつは熊本県にも、金運向上の龍神をまつる神社があります。
その龍神は、暦には登場しません。「金運向上」の絵馬を掛けると、ごくまれに出会えるかも⁈
基本情報
- 見出し表記
- 天富命
- 読み
- あめのとみのみこと
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 古語拾遺
- 図鑑番号
- K00332
