手置帆負命と御殿を造った工匠の神
どんな神さま?
手置帆負命とともに御殿を建てた、たくみの神さまです。『古語拾遺』に登場し、紀伊の国、いまの和歌山県の忌部氏の祖先とされます。天照大御神が天の岩戸にこもったとき、彦狭知命は、手置帆負命とふたりで、ものさしを使って山の木を切り出し、りっぱな御殿を建てました。また、笠、矛、盾もつくったと記されています。
ふたりは、いつもひと組で語られます。讃岐の国の手置帆負命と、紀伊の国の彦狭知命。紀伊は、もと「木の国」と呼ばれた、よい木のとれる国です。須佐之男命の子どもたちが、木の種をまいて、最後にしずまったのも、この国でした。紀伊の忌部氏は、宮殿を建てるための材木を切り出して、朝廷におさめたと伝えられています。木をよく知る一族の祖先が、この神なのです。
名前の「さしり」は、「さし」、つまり、ものさしを知る、という意味にとる説があります。長さをはかること、ものごとを正しく見きわめること。それが、たくみの第一歩です。神武天皇が都をひらいたときには、この神の孫も、天富命にひきいられて、橿原の宮殿づくりにくわわりました。家を建てるときの上棟式では、いまも手置帆負命とならんで、建築の守り神としてまつられます。はかる、切る、組む。たしかな仕事で、人のくらしをささえる神さまです。
登場する主な神話
- 天の岩戸(古語拾遺)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 彦狭知命
- 読み
- ひこさしりのみこと
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 古語拾遺
- 図鑑番号
- K00326
