火の神を斬った、神でもある剣
どんな神さま?
剣であり、神さまでもある、ふしぎな存在です。伊耶那美神が火の神・火之迦具土神を生んで亡くなったとき、悲しみと怒りにかられた伊耶那岐神は、腰の長い剣を抜いて火の神を斬りました。その剣の名が天之尾羽張で、伊都之尾羽張ともいいます。
このとき、剣についた血が岩に飛びちり、そこから次々と神が生まれました。岩をさく神、火の神、水の神、そして剣と雷の神である建御雷神です。つまり建御雷神は、この剣の子ということになります。ものにすぎない剣が、ここでは親となって神を生んでいるのです。
のちの国譲りの物語では、この剣は名前をもつ神として、天安河の川上の石屋にすんでいます。川の水をせき止めて道をふさぎ、だれも近づけない気むずかしい神でした。地上へつかわす使いの候補にあげられると、「おそれ多いことです。お仕えしましょう。ただ、この役目にはわが子の建御雷神がよいでしょう」と答えて、子にゆずります。すぐれた道具には魂がやどる、という考え方は、いまも日本に残っています。火の神を斬った剣は、国をしずめる神の父になりました。
登場する主な神話
- 迦具土神を斬る場面
- 国譲りの使者選び
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 天之尾羽張
- 読み
- あめのおはばり
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00050
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