大神が家を造らせた八野の女神
どんな神さま?
大国主神が、むかえるために家をつくらせた、出雲の女神です。『古事記』や『日本書紀』には登場しません。『出雲国風土記』の、神門郡八野郷のところに出てきます。須佐之男命の娘とされています。
風土記はこう語ります。「須佐能袁命の御子、八野若日女命が、ここにいらっしゃった。そのとき、天の下をおつくりになった大神、大穴持命が、この女神を妻にしようとして、家をおつくらせになった。それで、八野という」。「屋」、つまり家をつくったので「やの」。大国主神は、この女神をむかえるために、新しい家を建てさせたのです。昔の結婚では、夫が妻のもとにかよったり、ふたりのための新しい家を建てたりしました。
『古事記』では、須佐之男命の娘として、須勢理毘売が大国主神の正妻になります。『出雲国風土記』には、ほかにも、須佐之男命の娘が大国主神の妻となる話が、いくつか伝えられています。出雲の各地の人びとが、「私たちの土地の女神も、須佐之男命の娘で、大国主神の妻なのだ」と語り伝えていたのでしょう。名前の「若日女」は、「若い、日の女」。若々しく、かがやく女神です。島根県出雲市の八野神社が、この女神をまつっています。大切な人をむかえるために、家をととのえる。新しいくらしのはじまりを思わせる、あたたかな言い伝えの女神です。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 出雲国風土記・神門郡八野郷の地名由来
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 八野若日女命
- 読み
- やのわかひめのみこと
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 出雲国風土記
- 図鑑番号
- K00352
